2025/09/10 22:22
親ガチャという言葉がはやりましたが「人生なんて運次第だ」と昔も今も、かなり強く思っています。
どんなに頑張っても、努力しても、あるいは才能に恵まれても、運が向かなければ望むものは手に入らない。人生なんてそんなものだなって思うんです。
でも4年前。あるスポーツ選手の発言で、運に対する考え方が少しだけ変わりました。変わったというか、そういうことなんだと目を開かされたというか。
4年前、カーリングの北京オリンピック日本代表決定戦が行われていました。フォルティウス対ロコ・ソラーレで3戦先勝の5番勝負。皆さん、これまでのオリンピックでの活躍もあってロコ・ソラーレの名前は知ってると思いますが、フォルティウスも負けず劣らずの強豪。
そして勝負はまず最初の2戦をフォルティウスが先取。ロコ・ソラーレは後のない崖っぷちにと追い込まれました。
一投一投は質の高い石を投げられているはず。戦略も悪くない。でも2戦つづけて落としてしまった。後に大会後のインタビューで明かされるのですが、2戦を終えた段階でロコ・ソラーレのメンバーはこの時点でのミーティングで、
「私たちには運がないんだ」「だったら自分たちで運を引き寄せよう」
と話し合ったそうです。
その「運がないんだ」「自分たちで引き寄せよう」について、さらに後に吉田知那美選手が自身のSNSでこんな風に説明していました。
(引用)=====================
運も実力のうちという日本語がありますが、私の中でカーリングでは運は、誰もが認める実力と確固たる自信、そして、その大会を心から楽しめるだけの努力をしてきた人のところに訪れる最後の力だと思っています。
(引用ここまで)==============
【その大会を心から楽しめるだけの努力をしてきた人のところに訪れる最後の力】
【その大会を心から楽しめるだけの努力をしてきた人のところに訪れる最後の力】
「人生なんて運次第だ」としたり顔で嘆いてみせるけれど、自分は運を引き寄せるほど生きる力と自信を持ち、人生を楽しむ努力をしてきたのだろうか。そんなことを考えさせられる言葉でした。
ロコ・ソラーレはその後、3連勝の大逆転で日本代表の座をつかみ、そして北京で見事史上最高成績となる銀メダルを獲得しました。彼女たちは日本代表決定戦で見事に自分たちで運を引き寄せ、そして大きな成果をつかんでみせたのです。
もっともそれはフォルティウスが努力してこなかったというわけでは、もちろんありません。
当時のフォルティウスも必死の努力を積み重ねて代表決定戦の場に臨んでいたことは間違いなく、ただ、ほんの少し、本当に紙一重の差で結果に結びつかなかったのです。
そしてあれから4年。
いよいよミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックに向けた、日本代表決定戦が始まります。
フォルティウスにとっては4年越しの雪辱の機会、ロコ・ソラーレにとってはいるべき場所へ戻るための戦い、そして今回は若さという可能性に満ちたSC軽井沢を交えた三つ巴の大会です。1試合だって、一投だって目を離すことができません。
のんびり紅茶飲んでる場合じゃない。飲むけど。
そして男子はコンサドーレとSC軽井沢のこちらは一騎打ち。
どうしたって代表は男女とも1チームずつしか勝ち取れないし、敗者は悔しさを感じないわけはないのだけれど、全チーム、全選手・関係者にとって、素晴らしい決定戦になるように願わずにいられません。
明日からのことを思うと、ただ見てるだけのこちらが緊張せずにはいられません。
どのチームが運を引き寄せて、代表の座を手にするのか。