2025/09/07 21:10

昨晩、テニスのUS OPEN車いす男子の決勝戦、小田凱人選手vsグスタボ・フェルナンデス選手の試合を見ていまして……


お互い一歩も譲らぬ熱い展開でもつれ込んだファイナルセットの最後の最後。10ポイント先取のタイブレーク。
王者小田に対して、今でこそチャレンジャーの地位に甘んじてはいるものの、大きな大会での優勝経験もあり実績豊富なフェルナンデスが、9-6と3つのチャンピオンシップポイントを握ります。

あと1ポイントを取れば、飛ぶ鳥を落とす勢いの小田を破って自らの生涯グランドスラムを達成できるチャンス。
さすがの強心臓の小田も「やばいんじゃね?」との思いがよぎったとインタビューで話していましたが、ここからの攻撃の姿勢がすごかった。バックハンドでのダウンザライン、フォアハンドでのダウンザライン。ラインギリギリのショットでウィナーを決めきって、フェルナンデスのCPをしのぐと、最終的には形勢を逆転。見事にUS OPENのチャンピオンに輝き、フェルナンデスの生涯グランドスラムを阻むと同時に、自らの生涯ゴールデンスラム(4つのグランドスラムタイトルとパラリンピックの金メダル)を決めて見せました。

すごい試合でした。
なんでスポーツは勝ち負けを決めなくちゃいけないのかと思いたくなるような、輝かしくも残酷なフィナーレ。
フェルナンデスは6年ぶりのグランドスラムタイトルがつかみかけた手のひらからスッとこぼれ落ちる結果になってしまいました。


そして今日の夜。
テニスほどにはいつも真剣には見てないのですが、たまたま見ていて、バレーボール女子の世界選手権3位決定戦。日本vsブラジル。

2セット先取したブラジルに対して、2セットを奪い返した日本。もつれこんだファイナルセットのデュースに次ぐデュース。
日本は2度のブロンズメダルポイントをものにすることができずに、最後の最後、銅メダルの栄誉はブラジルの選手たちのもとへ。

日本人として悔しい、残念というのもあるけれど、それよりも息を呑む展開からの勝ち負けがついてしまう残酷さへの感嘆。
両チームの一人ひとりの選手がこれまでどれだけの経験や思いを重ねてきた上で、この場にいて、そして勝者と敗者に分かれてしまうのかと思うと、どこかやりきれない気持ちもわいてきます。


幼いころからスポーツ観戦が大好きで、ずっとずっと見てきたけれど、勝者の反対側には必ず敗者がいるということにはいつまでも慣れない気がします。慣れないというか忘れがちになってしまう。
先日、沖縄尚学高校が優勝した夏の甲子園。全国の予選に参加したチーム数は3,396チームだそうです。つまり沖縄尚学を除く3,395チームはすべて負けることで夏を終えてるんですよね。勝って大会を終えられたのは、1/3,396チームだけ。ほとんどすべてのチーム、選手が敗れて去っていくわけです。人生ってそんなものだよねと思うと、安心するような怖いような気もします。

スポーツをする、スポーツを見るというのは敗北を受け入れることなのかもしれません。

と、だらだらと書いているうちに、阪神タイガースが優勝に王手をかけて9回表の守備に。
勝てば日本のプロ野球史上最速優勝なのかな。

センターフライでワンアウト。あと2人。
三振でツーアウト。あと1人。
現地でみんなそわそわしてる。藤川球児監督は悠然。
そして、センターフライで試合終了。
優勝おめでとう!!!

スポーツってすごいな。
今晩、このあとはF1のイタリアGP。
明日の朝はUS OPENでシナーとアルカラスの決勝戦。
来週後半はカーリングの日本代表決定戦。

大変だー