2025/08/14 22:06
世の中は古いものと新しいものでできています。
たとえば言葉。
私はいわゆるネットミームのような流行語、たとえば「推し」とか「沼」とかそういう表現は好きじゃなくて、複雑な情感をそんなチープであやふやな言葉に閉じ込めるなんてもったいないと思ってしまいます。けれど「推し」や「沼」という表現じゃなきゃ現せないんだ!という人も大勢いるし、この言葉があるからこそ対話が豊かになる人が大勢いる。たぶん、それはそれで良いことなんだろうと思うし、それらの言葉が嫌いなら私は自分でそれに相当するような、あるいは凌駕するような表現を、これまで使われてきたような言葉づかいの中から紡いでいかなければならないし、それができればきっと豊かな表現ができるようになるだろうと、思うんです。
たとえば映画や音楽。
「昔の映画は良かった」「最近の音楽はどれも同じに聞こえる」というのは、いつの時代も聞かれるセリフです。私がまだ小さかった昭和の頃から聞いたセリフ。サザンオールスターズのデビューは私がまだ小学校の低学年だった頃ですが、その頃に大人たちが「あんなのは……」と語っていたのはよくおぼえています。映画だって、それこそトーキー(音がついた映画)が普及しはじめた当時には「無声映画じゃなくちゃ味がねえ」と言われていたなんて話も聞きます。今ならCGやVFXてんこ盛りだったり、IMAXのような高次体験だったりが苦手な人もいるかもしれないし、そんな新しい表現がもたらすダイナミズムがたまらない人だっているでしょう。
世の中はどんどん変わっていくから楽しいし、だからこそ変わっていかないものの価値もクリアになる。
世の中は古いものと新しいものでできています。だからおもしろいと思うんです。
ということを、今日、複雑な柑橘の香りで構成されたアールグレイを飲みながら、ちょっと考えていました。

もしかしたら
「ベルガモットじゃなきゃアールグレイとは認めらんねぇんだよ、べらぼうめぇ」
みたいな方もいるかもしれないけれど、いろいろな柑橘の香りが新しい世界をつくる今のアールグレイの自由さってのも良いと思うんですよね。そもそも ⇧みたいな頑固おじさんがいたら、犬猫紅茶店のアールグレイもアールグレイじゃなくなっちゃう(ベルガモットに加えて、レモンやライムの香りなども組み合わされています)
アイスアールグレイのおいしい季節ですね。
犬猫紅茶店のアールグレイも超おすすめなので、ぜひ試してみてください。