2018/06/27 11:57

どこかのニュース配信サービスが「さよなら、おっさん。」というキャッチコピーで

新聞に全面広告を掲出したことが昨日(2018.06.26)話題になりました



広告主の企業は「おっさん」を年齢性差に関係なく
「新しいことを学ぼうとしない存在」として定義したかったようですが
ネット上では一定年齢層の男性を想起させる侮蔑的な表現だろうと批判を集めました

一人のおっさんである私から見ても、たとえばこの「おっさん」を
「おばさん」や「お姉ちゃん」「おじいちゃん」に置き換えられないことを考えれば、
どんなに独自の解釈をアピールしたところでそれは性差別的な表現だと思います
けど、別に今日はそんな話を書こうと思ったのではなくて……

紅茶とおっさんの話


日本の文化では近年、紅茶は女性的な飲み物として捉えられてきました

ペットボトル紅茶の広告ではさわやかな女性が起用されます
マンガやドラマでアフタヌーンティーを楽しむのも女性です
ネット上のコラムなんかで、自分の価値観に夢中で周りが見えていない若い女性を
揶揄する際に「スイーツ女子」なんて言葉が侮蔑的に使われることがありますが
その時、彼女たちが飲むのも大抵紅茶です
紅茶はかわいい女性を現す飲み物だと捉えられている風潮があるわけです

世の中には紅茶王子を自称する(または他称される)方が何人もいらっしゃいますが
彼らも紅茶の世界では男性が希少種だからこそ、そうした呼称が成立するわけです
(そういえば「紅茶のお姫様」「紅茶プリンセス」を名乗ってる人っているのかな?)
紅茶好きの女性には際だった特異性がないけれど
紅茶好きの男性には特異性を感じられるのでキャラクターとなり得るわけです


なので、私のようなおっさんが「紅茶が好きなんですよ」と口にすると
初対面の方は大抵「えっ……」とビックリしてくれます
紅茶とは関係のない仕事の場面では、このおかげでどんな方にも
「ああ、紅茶の人ね」
とおぼえてもらえるので大変に便利でありがたいイメージです

他のジャンルで例えてみれば
おっさんなのに編み物が趣味とか若い女性なのに競艇が趣味、
みたいなものかもしれません

そうなんですよ!
別におっさんが編み物好きだって、女の子が競艇マニアだって構わないじゃないですか
もちろんおっさんが紅茶好きだって構わないですよね

私は「紅茶好き」を便利に活用させてもらいながら一方で
いつも「この状況は正しくないよな」とモヤっとしたものを
胸の奥の方にため込みます

赤ちょうちんで焼き鳥を食べながらホッピーを飲む女性が全然めずらしくなくて
当たり前のスタイルとして受け入れられているように
かわいらしい紅茶屋さんでケーキと紅茶を楽しむおっさん(僕はやりますが)が
世の中の当たり前になってくれたら、最高だなって思います

個々の趣味嗜好に性別も年齢も関係ありません
好きなものは好き
それが社会のスタンダードになってくれたら
みんなもっと自由にいろんなことを楽しめるようになりますね